患者さんからの言葉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

[Question]
「患者さんからの言葉」

私は、現在慢性期病棟に勤務している看護師です。患者さんからの言葉に、胸がギュっと締め付けられて冷静な対応が出来なくなることがあるのです。冷静な対応が出来ないのは、看護師として不適格ではないか、と悩んでいます。

私の勤めている病棟は高齢の患者さんがほとんどです。また、認知がある患者さんも多くいます。家族の方が面会に来ることのない患者さんもいます。その患者さんは、同じ病室の患者さんの所に家族が来たとき、なんとも言えない表情を浮かべて、じっとその様子を眺めています。この間は、IVH挿入中の患者さんが、涙を浮かべながら静かに「俺は、いつになったら家へ帰れますか」と聞くんですよ。もう、耐えられませんでした。

胸が締め付けられ、あふれる涙をこらえるのが精一杯の毎日なのです。冷静な声掛けも出来ず、自分の無力さを痛感して、自己嫌悪に陥ってしまいます。夜、布団に入っても、患者さんの言葉が思い出されて、今患者さんは泣いているのかもしれない、と思い眠れないのです。

私は看護師に向いていないのではないか、と思う毎日なのです。看護師の方、あるいは介護職の方にお聞きします。勤務中に冷静な対応が出来なくなることはありませんか。

[Answer]

私が看護学校の学生だったときに先生から聞かされた話があります。後になって知ったのですが、その話は、学校の伝説となっている実話だったのです。

それは、付属病院でベッドサイドティーチングが行われたときのことでした。看護学生が、1人1人、患者さんに簡単なケアをすることになりました。みんな、布団を直したり、「早く元気になってくださいね」とか声を掛けるわけです。

そして、ある学生に痴呆の患者さんが割り当てられました。その学生は、患者さんの手を握り、ワアワアと泣き出したのです。周囲の人は驚きました。その患者さんの眼からも涙が出たということです。

相手の事を心から思う気持ちは、仕事の技術以上に大切なものです。そして、その心は、必ず伝わるものです。心から心へ伝わるのです。看護師の優劣を決めるのは単なる技術ではありません。質問者さんは最高の看護師だと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

   

   

コメントを残す

*