「わたしも水虫に感染したらどうしよう」
仕事で水虫に感染するのは辛いですよね。入浴介助の現場は白癬菌が多い環境なので、不安を持ちながら働く看護師さんが多いです。でも、白癬菌に触れたら感染、発症をするわけではありません。
白癬菌の特徴と自分の足タイプを知れば、しっかりと感染予防ができ、入浴介助の仕事が不安なくできます。そこで今回は、入浴介助で水虫にならないために、自分でできる白癬菌対策を紹介します。
白癬菌は生きているカビで、温度、湿度、栄養条件が整えば細胞分裂して増殖します。
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温度 |
適温は36℃(15℃~60℃でも生きられます) |
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湿度 |
60%以上 |
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栄養 |
タンパク質ケラチン 皮膚の表面を覆う角質層(垢となって落ちる場所) |
入浴介助の現場は、①高温②多湿③ケラチン(垢)が豊富な3条件すべてそろった場所で、白癬菌にとって住み心地の良いものです。高齢者になると足白癬や爪白癬になりやすく、利用者さんの皮膚からはがれ落ちた落屑を介助者が素足で踏んで、菌が付着するといった場面が多くみられます。
白癬菌は24時間以上経過しないと、角質中に白癬菌が侵入することはありません(傷がある場合は24時間以内に角質中に侵入します)。侵入後、さらに増殖して感染すると水ぶくれや足趾の間に皮がむけるなどの症状を引き起こします。
足に感染した「足白癬」が爪に侵入すると「爪白癬」になり、爪甲が混濁&肥厚して、爪切りケアが難しいです。治療方法は内服か外用薬ですが、併用禁忌薬や副作用症状(頭痛・胃腸障害)に注意が必要で、内服できない方は抗真菌外用薬を使用します。
同じ入浴介助をしていても、白癬菌に感染する人としない人がいるのはなぜでしょうか?
| 足白癬になりにくい人 | 足白癬になりやすい人 | |
| 足趾の形 | 足趾が開いてすき間がある | 足趾と趾がピタッとくっついている |
| 履物 | 普段はサンダルや通気性の良い靴をはいて風通しがよい | 普段は革靴やブーツを長時間はいて蒸れやすい |
| 汗 | 普通~乾燥している | 汗をかきやすい |
| 病気 | なし | 糖尿病(手足の血行不良・感覚障害) |
感染が成立するのは、入浴介助後に足に残った菌が角質から入り込み、繁殖しやすい環境条件が整った時です。つまり入浴介助そのものだけではなく、自分の足の形状や普段履いているものも白癬のなりやすさに関係してきます。
足白癬の中で多いのは、趾間型足白癬といって足趾の間になる人です。足の趾と趾がピタッと密着するタイプの人は、その部位に汗が溜まりやすく、洗い残しや拭き忘れがあると、そこから白癬菌が繁殖します。
また仕事中や通勤に使用する靴が蒸れやすい人も要注意です。糖尿病の場合は皮膚症状に気づきにくく、菌に対する抵抗力が弱いので、足白癬になりやすい傾向があります。
入浴介助の現場は一年中白癬菌が活発な環境で、菌を避けることはできません。でも5つのポイントに気をつければ予防ができます。
足趾がピタッと密着するタイプの人は、忘れがちな趾と趾の間をシャワーでしっかり洗い流してください。皮膚の表面に菌が付いているだけなら、石けんを泡立ててやさしく洗浄するだけで十分取れます。
自分専用のタオルで拭いて、乾燥させてから靴下をはいてください。とくに、足趾と趾の間をふくのが大事です!面倒かもしれませんが、家の入浴後にも忘れずに拭いておくと予防になります。
趾同士がひっついている人は5本指ソックスがおすすめで、白癬菌の好きな湿気を予防します。休憩時間には、グーチョキパーの筋肉運動をして足趾を広げるストレッチをしましょう。そのときに足に傷がないかどうかチェックする習慣をつけるとよいですね。
くすりを使っても良くならないときは、他の病気かもしれません。受診がまだなら早めに診てもらって、完治しましょう。
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常在菌の感染 |
皮膚の表面の常在菌が湿った趾間で増殖するただれ、悪臭 |
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かぶれ(接触皮膚炎) |
じゅうたんや靴下、靴の染料などに触れて起こるかゆみ、発疹、水泡 |
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汗疱性湿疹 |
手足に汗をかきやすい人に多い足裏の小水疱、皮むけ |
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皮膚カンジダ症 |
足爪や趾へのカンジダ菌の感染趾間のただれ、爪周囲の炎症 |
バスマットやタオルは菌が繁殖する場所なので、こまめに取り換えましょう。菌は乾燥に弱いので、バスマットを十分に乾かすことで他に広がることが防げます。洗濯機で他の洗濯物と一緒に洗うことはOKですが、大事なことは乾燥をしっかりすることです。
まとめ
入浴介助終了後に足と足趾の間を丁寧に洗い、よく乾燥させていれば感染は予防できます。
上記の白癬菌対策をして、「水虫にならない」足環境を整えましょう。
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「親の面倒を見ているのに自分が親の金使って何が悪いの?」
「事故や近所の方とトラブルが起こると嫌だからね…外出やご近所さんとの交流を禁止にしています」
認知症高齢者を介護する家族の発言で「これって虐待かな」、「どう対応すればいいんだろう」と悩んだケースはありませんか?
身体にアザがあれば虐待とわかりやすいけれど、直接的な侵襲がない場合は判断に迷いますよね。とくに閉鎖的で家族関係が見えにくい家庭であるほど、SOSの発信に気づくのが難しいものです。
そこで今回は、「あの時もっと早く気づいてあげればよかった」と緊急事態を防ぐために、訪問時に使える“虐待の種類・早期発見チェックリスト”と“虐待の程度・対処方法”についてお伝えします。
虐待といっても種類や程度は各家庭さまざまで、状況も刻一刻と変化します。まずは現状を把握するために、“虐待の種類”と“早期発見チェックリスト”を確認しましょう。
「虐待の種類は5つに分類できるので、具体的にイメージしやすいようチェックリストで紹介します。
1. 身体的虐待
2. 介護・世話の放棄
3. 心理的虐待
4. 性的虐待
5. 経済的虐待
上記の5種類の虐待の発見のための“早期発見チェックリスト”は、以下の通りです。
□ あざや傷がある
□ あざや傷の説明を隠そうとする
□ 人との交流を禁止されている
□ おびえた表情、「怖い」「怒られる」等の発言
□ 「痛い」「家にいたくない」「殴られる」等の発言
□ 支援をためらう、サービスの拒否
この他に、手足を縛る身体的拘束も身体的虐待に含まれます。
□ 室内や衣服が不潔(異臭、極度な乱雑、暖房の欠如、汚れたシーツ)
□ 身体が不潔(異臭、汚れた髪、のび放題の爪)
□ 食事がない
□ 医療やサービスを受けていない
ネグレクトは、意図的であるかは問われません。
事情があって介護できなかった場合も、高齢者が劣悪な状態であるなら虐待といえます。
□ 急な体重増減、やせすぎ、拒食と過食
□ 「ホームに入りたい」「死にたい」等、自分を否定的に話す
□ 不眠
□ 家族が「早く死んでしまえ」など否定的な発言
この他にも、家族が「ばか(のろま)」といった名前で呼ぶ、大声で叱る、「施設に入れるぞ」と脅すのも心理的虐待に含まれます。
□ 生殖器等の傷、出血、かゆみを訴える
□ おびえた表情、怖がる、人目を避ける
□ 話すことをためらう、援助を受けたがらない
夫婦間でのドメスティックバイオレンスも虐待に含まれます。
□ 「お金をとられた」、「年金が入ってこない」、「貯金がなくなった」等の発言
□ 資産と日常生活に落差がある
□ サービスの利用負担が突然払えなくなる、サービス利用をためらう
金銭管理を自分の子供にまかせる高齢者もいますが、日常生活に支障がでる場合は経済的虐待とみなされます。
虐待予防・発見チェックリストは、下記を参考にして作成しています。 ダウロードが必要な方はこちらをクリックしてくださいね。(2019年8月現在)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/zaishien/gyakutai/understand/teido/pdf/checksheet.pdf
出典)首都大学東京 副田あけみ教授作成の様式を一部修正 東京都老人総合研究所作成
虐待の種類と早期発見チェックリストの次は、“虐待の程度”を3つのレベルに分けて把握します。
1.緊急事態
生命に関わる重大な状況を引き起こしており、一刻も早く介入が必要。
2.要介入
放置しておくと心身に重大な影響があるので、本人の自覚の有無にかかわらず介入が必要。
3.要見守り
心身への影響は顕在化しておらず、虐待か判断に迷う状態。
そして、「緊急事態」「要介入」「要見守り」の対処方法については、以下のようになります。
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程度 |
対処方法 |
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緊急事態 |
状況に応じて警察や救急に連絡 ショートスティなど緊急避難 |
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要介入 |
事業所における対応マニュアルの整備 介護保険サービスの積極的利用 専門職や区市町村のネットワーク形成 |
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要見守り |
ケアマネジャーによる家族への助言や情報提供 介護サービスの見直し 地域の見守り声かけ |
東京都パンフレット「高齢者虐待防止と権利擁護」を参考、一部修正
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/zaishien/gyakutai/torikumi/doc/pamphlet_2009.pdf
最後に認知症と虐待の関係を考えるポイントとして、“認知症高齢者の虐待が多いワケ”と“男性介護者による虐待が2/3を超えている”ということをお伝えします。虐待されている約7割の高齢者には認知症の症状がありますが、これは介護者がよりストレスフルな介護困難場面に遭遇しやすいからです。
「飯を食わせてくれない」と愚痴る認知症の父に、「ご飯はいま食べたばかりでしょ!」と強くあたったり無視をしたりと、介護者が疲れ果てている場面は想像しやすいでしょう。また、介護期間の見通しが立たない不安を抱え、コミュニケーションの取りにくさにイラ立ち、ときには自分自身の老後を投影して恐怖を抱くこともあるでしょう。このように認知症高齢者の虐待は、家族の身体的疲労だけではなく、精神的負担の大きさも関係しています。
在宅介護における虐待者の続柄は、「息子」がもっとも多く、次いで「夫」、「娘」の順です。つまり“男性介護者による虐待が、2/3を超えている”という状況です。これには、①家事や介護に不慣れで負担を感じやすい、②地域と関りが薄い孤立、③失業中で親と同居している、④長年の親子関係の悪化、などの問題が背景にあります。
虐待は過去最多で更新し続けている現状があり、虐待が疑われるケースの10%ほどは命に危険がある緊急事態といわれています。認知症ケアにおいてナースが働きかける対象は、患者本人だけではなく家族にも十分な配慮が必要です。
家族の自覚のなさが虐待を助長することもあるので、未然に防ぐためにも家族の認知症への理解を深め、介護負担を軽減できるようサポートできるといいですね。
【参考】
「高齢者虐待防止の基本」 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/1.pdf
2019年8月アクセス
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「自立支援医療」は、利用者さんの経済的な相談に役立つ制度のお話で、「自立支援介護」は、介護方法の方針となる用語です。頭に同じ「自立支援」がついて混同しやすいですが、その意味や使い方はまったく違うものですね。
そこで今回は、高齢者とかかわりの多い看護師さんのために、「自立支援医療」と「自立支援介護」をそれぞれまとめました。いざというときのために、この機会に用語の再確認しておくと安心ですね!
医療費の自己負担額を軽減する目的で作られた制度で、その対象者は3つに分かれます。
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種類 |
対象者 |
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精神通院医療 |
精神疾患の治療を継続的に必要としている人。 |
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更生医療 |
身体障害者の治療。 |
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育成医療 |
身体障害児の治療(18歳以下)。 |
高齢者と関わる看護師さんには、精神通院医療が身近な制度ですので、覚えておくと便利です。
この制度は、通院治療が必要な精神疾患の人を対象に、1割負担まで軽減される制度です(※限度額は世帯の所得額に応じて決められています)。
たとえば、認知症の進行によって医療費にかかる負担が増加した場合、住んでいる市町村に申請して、指定の医療機関・薬局で利用できます。
認知症は医療と介護の両輪でケアしていく症状ですので、少しでも治療に専念できるように、お金の負担や不安を軽くするという意味では有用な制度ですね。
もしかすると、身近な利用者さんやご自身の家族も、自立支援医療が受けられる対象となるかもしれません。そんな時「それ何ですか?知らない」と慌てず、しっかり相談に乗ってあげて、専門職らしくアドバイスできるといいですね。
自立支援医療の詳細です。
・厚生労働省「自立支援医療制度の概要」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jiritsu/gaiyo.html)2019年6月アクセス
体力の回復や意欲を取り戻し、その方らしい生活を目指して行う介護になります。従来型介護のような、支援を必要とする方が「なされるがまま」といった受け身の支援ではないのが特徴です。
では、自立支援介護のケアとは、具体的にどういうものかをみていきましょう。
ケアの基本は、生活するために必要な「水分・食事・排便・運動」の4つを軸に、認知症や失禁の改善、普通食を目指します。
人間が1日に必要とする水分1,500mlを目安にして、水分補給をしましょう。高齢になると気づかないうちに脱水をおこしている場合があり、こまめな水分摂取の習慣をサポートします。
ただ、糖尿病や心不全、経管栄養等は状況によって水分量を変える必要がでますので、この限りではありません。体重増加やむくみ、動機や息切れなどの狭心痛サインを見逃さず、体重測定の管理が重要です。
咀嚼や嚥下の改善をサポートしながら普通食を目指しましょう。食が細くなる高齢者にとって、食事は栄養補給の手段となり、すぐに介護食に頼ってしまいがちです。食事を美味しく、生活のよろこびのひとつにしていけるよう求められます。
できるだけ下剤をやめて自然排便を目指しましょう。先進的な取り組みの1つに、おむつゼロ運動があります。普通のパンツで生活ができるよう、ポータブルトイレからトイレへの移行をサポートしているケースです。
竹内孝仁教授(国際医療福祉大学大学院)が提唱したもので、実践する介護施設も全国に増えてきました。
離床をうながし、リハビリをして、ADL回復を目指しましょう。個別の状態に応じて、体操やトレーニングマシンなどを活用した機能訓練が求められます。
自立支援介護のあり方については、業界・職能団体を含め、活発な議論がかわされている状況です。とくに、2018年度の介護報酬改定で、“要介護度を改善させた事業所に、介護報酬を高くする”インセンティヴ措置についてはホットな話題ですね。
支援を必要とする人の自己選択や自己決定の尊重が、自立支援の根幹にありますが、インセンティヴ措置によって、利用者の意に反して「QOLを無視したADL回復の促進が盲目的に行われる」と危惧する声があがっています。
加齢による機能低下は自然現象であるにも関わらず、無理に栄養をつけさせ、リハビリを重ねて歩行器で歩かせるといった、自立を強いる偏った支援は“尊厳を守る”とはいえません。こうした議論を踏まえ、精査されて仕組みが構築されるので、今後も注視していくことが重要です。
「自立支援医療」は医療制度の話、「自立支援介護」は介護方針の話でした。用語を正しく理解して、利用者さんの相談や、スタッフ同士のスムーズな意思疎通ができるといいですね。
自立支援介護について、もっと詳しく知りたい方へおすすめのセミナーです。
詳細はこちら
【参考】
「介護サービスの質の評価・自立支援に向けた事業者へのインセンティヴ(参考資料)」
(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000175116.pdf) 2019年6月アクセス
]]>しかし現場においての業務は、専門の学習を終え国家試験に合格したとはいえなかなかすぐに知識が発揮できるかというと難しいものがあります。病院の規模や専門性、または配置される病棟により必要な知識や技術は違います。
また即戦力という点においても未熟な点は多く経験が必要な業務も数多くあります。そういう医療の現場において多くの病院はオリエンテーションや教育の期間をもうけ、現場で勤務するまでの導入時期として研修体制をもうけている機関が増えています。
1日も早く1人前のナースになるためには新人ナースとしてどのようなオリエンテーションや教育が必要なのでしょうか。病院側の目的や方法、また新人ナースの研修の取り組みについてご紹介させていただきます。
厚生労働省の新人看護職員研修ガイドラインの基本方針として
などがあげられています。これに基づいて各医療機関はそれぞれの新人ナースの教育制度を設けています。その多くは期間を設けて全体教育を行い、その後配属先での勤務という流れが一般的です。
不安な気持ちを抱えた新人ナース1人に対して経験のある先輩ナース(プリセプター)がマンツーマンで、ある一定の期間同じ勤務時間に教育や指導を行う方法です。未熟な技術はもちろん仕事をとおしてコミュニケーションや看護サービス・病院の特性や広範囲にわたって指導をする制度になります。
看護師としてスタートするにおいて、国家資格は得たもののすぐに即戦力とはなりにくいのが現状です。一般の会社でも入社後、1週間ほどは全体のオリエンテーションや接遇など基本的な指導が行われますが、病院も同じで、まずは病院の全体の施設を理解することから始めます。
検査室や外来・各病棟や配膳室・薬局など規模が大きくなるほど初めは難しく感じるものだと思います。基本的な研修を終えると病院によっては看護技術の基本的指導が始まります。検温・採血はもちろん、点滴操作や清潔操作など学校で習ってきたことの総復習を行います。その後、配属先の病棟への移動となります。
配属された病棟で出会うのがプリセプターの先輩ナースです。プリセプターとなるナースは2~4年目くらいのナースが一般的でワンツーマンの指導となることが多いのが一般的です。勤務も同じ時間帯で同じ患者を受け持ち対応していきます。
これらの業務をプリセプターと同行し業務を覚えていくようになります。
プリセプター以外のナースも指導やフォローは行いますが、プリセプターが主に指導にかかわり新人ナースの教育係として対応していきます。
配属されたばかりの時期はとにかく不安が大きい時期ですので、焦らずゆっくりと指導することが求められます。
一般的にはプリセプターとなる先輩ナースは年齢が近いということもあり、質問や不安を聞いてもらえるという安心感が生まれれば、良い関係が築いていけると思います。チェックリストがある病院などでは、できた技術や、逆にできなかったことなどをチェックし1年を通じて経験値を上げていくなど計画的に対応している病院もあります。
同じ部署に新人が多数いる場合は、新人同士のコミュニケーションの場や勉強する機会を設けることも大切です。同期という仲間意識を育て一緒に育てていくというスタンスで取り組むことがプリセプター自身の負担も軽減することでしょう。
医療が進歩しナースに求められる知識や技術も増えつつあります。新人ナースがまず職場になじみ、日常の業務ができるようになるまでにはかなりの月日がかかることでしょう。
しかし、全てのナースが通ってきた道であり育てる楽しみがあるのも事実です。期待や不安を抱えつつ勤務につく新人ナースに少しでも早く一人前になって欲しいのが本音ですが、焦らずじっくり取り組むことが大切です。
プリセプターを含め、全てのナースが新人ナースの成長を見守っていきたいものです。
]]>ナースの浣腸による医療事故が減らないことから、今から10年以上前に日本看護協会から緊急安全情報がだされたのをご存じでしょうか。
浣腸の体位は「左仰臥位」でおこなうことが周知されていますが、実際の現場では、さまざまな体位で実施され、慣れてくると基本の技術がなおざりになってしまいがち。
日常できわめて頻繁におこなう業務だからこそ、「浣腸って危険と隣あわせだよね。」と再確認をこめて、浣腸後の見逃してはいけないサインと副作用をまとめました。
浣腸とは自然排便ができない場合や、手術や検査の前処置に、グリセリンを直腸内へ注入して排泄をうながす技術です。
グリセリンの浸透圧を利用して、腸管から水分吸収する刺激で蠕動運動させ、浸透作用により便を軟らかく膨らませて排泄します。
浣腸の処置は、直腸の方向の確認、疼痛の有無、カテーテルの挿入の長さや注入時の抵抗を十分に確認することが大切です。
【手順のポイント】
・グリセリン液を40℃に温める
・左仰臥位をとる
・肛門より5~6cm挿入する
・チューブのストッパーを直腸内に押し込まない。
四肢不全麻痺で疼痛感覚のない方、痔核やステロイドの服用中、下剤を常用している人は、もともと腸管粘膜が傷つきやすい状態なので事前の情報共有と慎重な対応が求められます。
慎重さが求められる患者についてまとめていますので、アセスメントや申し送りの参考にしてください。
【慎重投与すべき患者と理由】
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慎重投与すべき患者 |
理由 |
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腸管、肛門に炎症・創傷のある患者 |
出血を促し、グリセリンが吸収され溶血や腎不全を起こすおそれがある。 |
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腸管麻痺のある患者 |
蠕動運動亢進により腹痛症状増悪の危険性がある。 |
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重症の硬結便のある患者 |
効果が得られず、腹痛症状を増悪させるおそれがある。 |
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重篤な心疾患のある患者 |
症状を増悪させるおそれがある。 |
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乳児 |
患児の反応を十分に把握できず、過量投与に陥りやすい。 |
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高齢者 |
過度の瀉下作用により体液量の減少で脱水等を起こすので、少量で開始するなど慎重に投与する。 |
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妊婦 |
子宮収縮を誘発して流早産の危険性がある。 |
(医薬品医療機器総合機構PMDA医療安全情報 グリセリン浣腸の取扱い時の注意についてより一部抜粋・改編)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000022381.pdf
浣腸後の重大な副作用とは、ショック症状と誤挿入による穿孔や損傷です。
そのため血圧変動、感染兆候、溶血症状の3つの兆候を見逃さないようにしましょう。
強制排便時には迷走神経反射を誘発して心拍や血圧が下がるショック症状が発現することがあります。
【血圧変動の観察】
気分不快
ふらつき
冷汗
顔面蒼白
脈拍数減少
ムリなチューブの押し込みで穿孔がおきると、グリセリン液と糞便が腹腔内に流出して炎症をおこします。
炎症程度は軽度な肛門周囲の疼痛から重度な腹膜炎まで、損傷部位によっては骨盤内膿瘍や膀胱損傷といった事例もあり、絶食やドレナージ、ストーマ造設までおこなわれています。
【感染兆候の観察】
肛門部・会陰部の腫脹
発赤
熱感
発熱
腹部膨満
腹痛
穿孔
直腸粘膜を傷つけると、直腸や肛門の血管内にグリセリンが移行して溶血をおこすことがあります。
グリセリン液が血管内に入ると赤血球膜脂質量の低下、赤血球膜の代謝異常から溶血がおこり、血尿や急性腎不全までいたることも。
輸液や利尿剤、重度の場合は血液透析が必要の事例もあります。
【粘膜損傷と腎機能障害の観察】
肛門部出血
肛門部・会陰部の痛み
尿の混濁
血尿
尿量減少
無尿
浣腸の副作用症状の出現時間は、実施直後から数日後までさまざまなので、血圧変動や感染兆候、溶血症状のサインがあればバイタル測定をして速やかに対応しましょう。
浣腸投与をしてはいけない禁忌患者は4タイプです。
症状の増悪、グリセリンが血管内に吸収して溶血、さらには腎不全を起こすリスクがあります。
強制排便によりショックを起こすかもしれません。
とくに便秘が長く続いた高齢者への浣腸には注意しましょう。
蠕動運動が亢進して縫合部の離開や出血をまねくおそれがあります。
症状の増悪を防ぎましょう。
浣腸は危険と隣り合わせですが、手順を守ることと事前の情報共有で危険を回避することができます。
申し送りでは、浣腸に慎重さが求められる患者と禁忌患者を定期的におさらいしておくと安心ですね。
下記の文献サイトを参考に作成しています。
・医薬品医療機器総合機構 PMDA 医療安全情報
・日本看護技術学会 グリセリン浣腸 Q&A
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高齢者が乾燥肌になるのは、老化による皮膚機能の衰えです。老化スピードは個人差がありますが、機能の衰えは病気ではなく誰にでもおこるもの。未だこの老化現象をとめる方法は解明されず避けることができない事実です。ここでは、直接的に乾燥肌をつくりだす3つの皮膚機能の衰えについて説明します。
表皮の一番上には、自然の天然クリームといわれる皮脂膜が覆っています。この皮脂膜のはたらきは、水分蒸発を防ぎ、皮膚の弱酸性を保つことです。構成は、「皮脂、垢、汗」からなるのですが、老化により皮脂や汗の分泌量が減り、天然クリームを必要量作りだせなくなります。その結果、水分蒸発が止まらず肌が乾燥してしまうのです。
表皮の角質層には、角質細胞間脂質という物質があります。この細胞間脂質のはたらきは、セラミドが主成分で角質の細胞と細胞をつなぎ、水分を蓄えることです。老化により細胞間脂質が減り、水分を蓄える能力が落ちてしまうため乾燥を助長します。
表皮の角質細胞の中にはNMF(Natural Moisturizing Factor=天然保湿因子)といって、その名のとおり天然で保水機能をもつ物質があります。NMFは、アミノ酸が主成分で、水分を捕まえて抱え込むはたらきがあるのです。老化によりNMFが減少し、水分を捕らえられなくなることで、角質細胞自体に水分が含まれなくなります。
「皮脂膜」、「角質間細胞」、「NMF」この3つの減少が肌の乾燥を引き起こし、バリア機能低下させるのです。乾燥が進むと、外部からの刺激がアレルゲンとなって掻痒感や炎症をおこし、放置すると重症化します。
そもそもこれら3つの物質は、皮膚の新陳代謝から生み出されたものですが、高齢になると真皮層からの栄養が少なく細胞分裂はゆっくりです。皮膚の力だけで潤いを取り戻すことは難しくなります。そのため、高齢者の皮膚のスキンケアで大切なことは、潤いを補充することと、僅かな表皮の水分をこれ以上逃がさないことです。
乾燥肌の改善には、自分の皮膚の特徴を知り、普段の生活スタイルを見直すことが必要です。ここでは、スキンケア指導で高齢者に求められるナースの関わり方を3つ紹介します。
高齢者の方は、悩んでいる自分をわかってくれる人にお話しをしてくれます。ナースは、傾聴して共感してこそ、大切な情報を共有することができるのです。本人に適したスキンケア方法を見つけるためにも、安心して話せる場や雰囲気をつくってあげてください。
「やればできるんだ」という自己効力感をもってもらいます。もし健康のために寒風摩擦をしていたとしても否定せず、行動変化が難しいところは後回しにしてください。本人が、これなら簡単に出来そうと思う優しい目標からはじめるのが効果的です。例えば、毎日ナイロンタオルと石けんで洗っていたところを、皮膚の休憩日をつくり、手と泡で身体を洗うことに慣れてもらうなど。
自分のことをしっかりみてくれる人に、フィードバックをもらおうとします。ナースは、あなたのことを気にかけていますよと伝え、本人が痒みや落屑などの変化に気づけるような会話をしてください。たとえば、手と泡で身体をあらってみてどうだったかなど、いろんなスキンケアに関する会話を継続します。自分の皮膚の乾燥状態、かゆみの程度を観察する習慣がつくられ、皮膚の異常があれば知らせる信頼関係ができます。
3つの基本ケアを紹介しますので、ご本人の生活スタイルに合わせて取り入れてください。
・洗浄成分は弱酸性の低刺激。
・泡石けんで、手でやさしく洗う。
・38~40℃程度のお湯が適温。
・入浴後、洗顔後の肌は、タオルで押して拭きとる。
熱いお風呂が好きな人や痒いからといってゴシゴシ洗う方が多いです。高齢で元気な人の中には、健康のために寒風摩擦を毎日して、タワシで頭を洗う男性もいます。本人を傷つけないよう言葉に配慮しながらお話を聴き、皮膚の薄さ(菲薄化)や落屑、痒みなど日常生活に問題があれば休憩をうながしてください。
入浴後、洗顔後の保湿は、早ければはやいほどよいです。保湿剤にはワセリンやオリーブオイルなど様々なタイプがありますが、落屑が多く、痒みがある場合は、医薬品を処方してもらうのがよいでしょう。
女性ですと自分に合った保湿剤を使用している方は多いですが、男性は保湿剤に内心抵抗をもつ方が多いです。先生に処方してもらい、「化粧品」ではなく「薬」という認識の方が、日常生活にスムーズに溶け込みやすいことがあります。
保湿剤を塗る時は、こすらず塗り拡げてください。ただし、足の裏は滑りやすいので、塗った後は靴下をはくなど転倒に注意しましょう。
・なるべく紫外線を避ける。
・ほこりなどアレルゲンを遠ざける。
・テープかぶれしないよう、低刺激性のものを選る。
・掻き壊しがないよう爪は短く。
・衣服や下着は、刺激が少ない綿などを選ぶ。
・カーペットやこたつは、乾燥しやすいですので、長時間の使用は控えましょう。
高齢者の乾燥は、重症化すると湿疹や強い痒みで、日常生活に支障をきたします。そうなってからでは、治療に時間がかかり、なかなか元の皮膚に戻りません。私たちの関わり方次第で、悪化を防ぐことが可能ですので、よい関わり方でスキンケア習慣が身につくといいですね。
]]>2005年日本医療機能評価機構事故防止センターの第 3 回報告書に報告されている『グリセリン浣腸における直腸穿孔』の事例が複数件あったことを受け、日本看護技術学会では、便秘に対するこれらの看護に対し、エビデンスを持って安全なスキルで実施できるよう、ガイドラインを作成しています。
今回は、その一部をご紹介したいと思います。
A.グリセリン浣腸施行により、高浸透圧のグリセリン液による化学的刺激を受け、直腸粘膜上皮の脱落や粘膜の浮腫が起こり、その回復には 24 時間必要であることが報告されています。このようなグリセリン液の化学的刺激による粘膜損傷に加え、摘便施行時に粘膜損傷を招く可能性を考慮すると、溶血や穿孔を招く危険性があるので、グリセリン浣腸と摘便を同時に行うことは避けた方がよいでしょう。
A.グリセリン浣腸実施後に気をつけておきたいサインは次のようなものがあります。これらのサインは、浣腸実施直後から数日後まで出現時間はさまざまです。もし、これらのサインが見られた場合には、グリセリン浣腸による有害事象の可能性を考えることも必要かもしれません。
また、有害事象は直腸粘膜の損傷によって引き起こされるものが多いといえます。グリセリン浣腸を実施する際は、粘膜を傷つけないよう留意することに加え、直腸粘膜が脆弱となっていないか(例えば、ステロイド剤服用中、下剤の常用、痔核、硬便、出血傾向など)を事前に確認しておくことは、グリセリン浣腸による有害事象のリスク因子を知るための大切なアセスメントといえるでしょう。
グリセリン浣腸実施による有害事象としては、大きく2つに分類できます。
1つは、グリセリン浣腸液(50%グリセリン)が直腸や肛門の血管内に移行することによる溶血、血尿、腎不全経過をたどる事象、もう1つはカテーテルによる直腸穿孔に起因したグリセリン浣腸液の後腹膜内貯留や便汁による感染性炎症です。
また、グリセリン浣腸の有害事象としては、血圧変動も挙げられます。
<グリセリン浣腸実施後に気をつけておきたいサイン>
■カテーテルによる粘膜損傷の兆候として■
下血や出血、肛門部・会陰部の疼痛(排便時の肛門痛を含む)
■溶血・腎機能障害の兆候として■
尿の混濁、血尿、尿量減少、無尿
■感染の兆候として■
肛門部・会陰部の腫脹、発赤、熱感、発熱、腹部膨満、腹部炎症症状(下腹部腹痛、触診による圧痛)
■血圧変動の兆候として■
気分不快、ふらつき、冷汗、顔面蒼白、脈拍数減少
■その他■
気分不快、悪寒、悪心・嘔吐など
A.グリセリン浣腸の実施について、2006 年 2 月に日本看護協会から緊急安全情報が通達されました。それは、立位でグルセリン浣腸を行うことによってカテーテルが直腸穿孔を起こし、糞便が腹腔内に広がり腹膜炎を起こすこと、直腸壁がカテーテルによって傷つけられ、グリセリンが血中に入り溶血を起こす事故報告があったことから、立位での実施が危険であるという内容でした(日本看護協会,2006)。基本的には、多くの看護技術の教科書、参考書には、患者を左側臥位にし、浣腸を実施することが記載されています。〜中略〜
立位前傾姿勢や中腰で行うと、患者の肛門部を看護者が観察することは困難で、カテーテル挿入の方向や長さの確認が不十分となる可能性があります。さらに立位のまま肛門管に添ってカテーテルを挿入した場合、ダグラス窩(女性の場合は、直腸子宮窩)に突き当り穿孔させる危険性も大きくなります。
また立位では、肛門括約筋が非常に強く締まり、無理にカテーテルを挿入することにより、静脈の豊富な直腸内壁を傷つけやすくなります。従って、これらの危険性を多く秘めている立位や中腰姿勢は避けなければなりません。
A.肛門管部を超えて肛門柱部から口側は、組織構造上から摩擦など物理的刺激に対し脆弱であり、かつ、直腸粘膜部に損傷がみられた事例が多くなっています。以上のことから、物理的刺激に弱い単層円柱上皮細胞の直腸粘膜へと移行する肛門縁から 5.0cm 以上の挿入を避け、かつグリセリン浣腸の保留を期待するならば、5.0cm 程度がカテーテル挿入の目安となると思われます。
A.看護学のテキストには、グリセリン注入後 3 分程度浣腸液を貯留させた後に排便するように記載されています。しかし臨床の場では、特に高齢者において我慢することが困難でベッド上で失禁するケースが多いことからトイレで実施することも少なからずあるのが現状です。このような状況下でグリセリン浣腸を実施したために有害事象(直腸穿孔)が報告され、2006 年に日本看護協会からグリセリン浣腸に関する緊急安全性情報が通達されました。
グリセリン浣腸後に排便を我慢する目的として、
①浣腸液が腸壁を刺激して蠕動運動を促進させるため
②浣腸液による便の軟化のため
と看護のテキストには記載されていますが(石井ら 2002,吉田ら 2005,深井ら 2006)、裏づけとなるデータは得られていません。
これらの作用に関する実証データを得るための基礎研究においては(中略)グリセリン浣腸後の排便までに要した平均時間は約 40 秒で、その後は断続的に排便作用が持続すること、便の軟化作用については、患者に我慢を強いている3 分程度では便は軟化しないことが報告されています。
貼用部の皮膚温が 4℃程度上昇し、2℃程度の上昇が 1 時間以上継続する刺激を与えられる方法であれば、どんな方法でも良いというのが、現在の到達点です(菱沼 2011)。熱布を用いた湿熱刺激、熱布をビニールで包んだ乾熱刺激、蒸気温熱シートが代表的な方法です。
当てる部位は腰部または腹部です。
・1 回のみ当てる方法
・毎日連続して当てる方法
があります。夏でも適用できるか、当てる時刻で効果に差があるかどうかは、まだわかっていません。
準備するもの:浴用タオル 3 枚、バスタオル 1 枚、バスタオル大のビニール 1 枚、
70℃程度の湯、家庭用ゴム手袋 2 組
① 浴用タオル 3 枚を 2 つ折り(30cm×40cm)にして 6 枚重ねにし、家庭用ゴム手袋を 2枚重ねてはめて、70℃程度の湯で絞ります。
② 絞ったタオルを空中で払い、施行者の前腕内側に当て、熱さを確認します。
③ ヤコビー線を中心にして腰背部に当てます(p4 図 1 参照)。この時、熱すぎないかどうかをよく確認します。体位は腹臥位または側臥位でできます。
④ 布をビニ-ル(家庭用ポリ袋を使うと扱いやすい)で覆い、その上にバスタオルをかけます。バスタオルをかけるとき、掌でしっかり押さえ、温タオルを皮膚に密着させます。シーツ、寝衣がぬれないよう、気をつけます。
⑤ 貼用時間は 10 分間です。
この方法では、タオルを当てられると熱いと感じ、このときのタオルの温度は 60℃程度ですが、その後急激に下がります。一方皮膚温は、7~8℃急激に上昇して、41.1~43.1℃になりますが、その後は皮膚温も下がっていきますので、これまで熱傷の報告はありません。
タオルを取り除いた後も、皮膚温は 2℃程度上がったままになっています(菱沼ら 1997)。
60℃の湯で絞った熱布をビニール袋にいれ、90 分仰臥位で腰の下に敷きこむ方法、側臥位で 10 分貼用する方法で(1)の変法として報告されています(久賀ら 2005; 丸山ら 2005)。
側臥位や腹臥位になれない場合、濡れたタオルでシーツや着衣を濡らさないために、工夫された方法です。
準備するもの:浴用タオル 2 枚、ビニール 1 枚、60℃の湯、家庭用ゴム手袋2組
① 浴用タオルを 4 つ折り(30cm×20cm)にして 8 枚重ねにし、家庭用ゴム手袋を 2 枚重ねてはめて、60℃の湯で絞ります。
② 絞ったタオルをビニール袋に入れ、空気を抜いて、当てます。
血液透析中にこの方法で 90 分腰の下に敷きこんだ場合、当ててから 15 分程度で、皮膚温が 4~5℃上昇します。その後、徐々に下がって行きますが、90 分後でも貼用前より 2℃高い状態が続きます(菱沼ら 2008)。
これは市販されているものです。
非透湿性のポリエチレンラミネート不織布と、透湿性のポリエチレンおよびポリエステルからなる不織布の間に、鉄、活性炭、食塩水、パルプからなるシート状の発熱体が入っており、空気にさらされることによって、鉄粉の酸化と加水で発熱が起こるものです(Oda, et al.2006)。
開発当初は縦 12cm×横 20cm の大きさのものでしたが、その後の研究で効果に差が無かったことから、現在は縦 8.5cm×横 17.8cm が販売されています。
このシートは酸化が始まって徐々に温度が上がり、表面温度が 40℃で 5 時間継続するように設定されています。皮膚温は 30 分程度をかけて 4~5℃上昇し、38~39℃が長時間持続します(Oda et al. 2006)。
当てる部位はヤコビー線を中心とした腰部または腹部になります。
1 回のみの貼用でも連日貼用でも効果が報告されています。
①消化管の穿孔や閉塞がある
②何らかの原因により出血傾向がある
③全身衰弱が激しい
④血圧の変動が激しい
以上に当てはまる人には温罨法は禁忌です(川島 1994)。
【引用文献】
便秘症状の緩和のための温罨法Q&A:日本看護技術学会
グリセリン浣腸 Q&A:日本看護技術学会
http://www.jsnas.jp/system/data/20160427225748_qrxys.pdf
]]>もし脳神経外科に配属になり、何を勉強していけばいいのか不安で困っている方必見です。
実際に脳神経外科病棟で勤務していたから言える、これだけは知っておきたい脳神経外科の基本的看護技術や知識をご紹介します。
脳神経外科では意識レベルの判定はよく行います。脳疾患により、軽度の意識障害から重度の意識障害を生じることが多々あります。その都度、経時的な変化を客観的に評価し、病状を誰でも把握できる指標が必要であり、よく使われるのがジャパン・コーマ・スケール(JCS)とグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)があります。救急医療の現場でもよく使用されますが、脳神経外科病棟での日々の観察でも活用し、看護記録に記したり、他者に申し送りする時に活用することで情報を共有し、病状を誰でも把握できるのです。
特に急変時に覚えていないと、 とっさに判断できず慌ててしまったり、正確な意識レベルの確認ができなくなってしまいます。そのため、脳神経外科で働く上で必ずと言っていいほど覚えておくべき基本中の基本なのです。
JCSは簡便で状態を見てすぐさま意識レベルを評価できるようになっていて、緊急時に用いることが多いです。ただ、判定に評者間のばらつきがあると言われています。
GCSは複雑で意識レベルの判定に時間がかかりますが、評者間での一致率は高いと言われています。
脳神経外科では脳腫瘍、くも膜下出血、硬膜下血腫、水頭症などの疾患が、病状の悪化で脳浮腫や脳腫脹をきたし頭蓋内圧が上昇するリスクがあります。これは本当に恐ろしく、さらに悪化すると重篤な脳ヘルニアを起こし、脳幹を圧迫するため生命維持が困難になる危険があります。
早期発見のために頭蓋内圧亢進症状について観察するのも脳神経外科看護の基本だと思います。
慢性症状は頭痛・悪心・嘔吐・視力障害や神経症状があり、意識清明なことが多いです。しかし、急性症状だと激しい頭痛や嘔吐、意識障害やクッシング症状(徐脈・血圧上昇)・瞳孔不同・けいれん・神経症状の悪化などが出現するため慢性症状がある場合は病状の悪化がないか日々観察を行い、急変時には疾患を踏まえ、頭蓋内圧亢進症状の可能性を考慮し症状の観察をする必要があります。
これらのことを踏まえて観察ポイントをまとめてみました。
特に血圧や脈拍に注意
瞳孔不同に注意
普段から観察し、悪化がないか確認していくことで早期発見につながります
起床時の頭痛が激しくなる場合があります
例えば、もともと片麻痺がある方は、悪化しないかどうか観察することで病状を把握できます
脳神経外科病棟でよく起こり得る状況を考慮し、以上の2点を紹介させていただきました。他にも脳神経外科の特有として、神経症状がありますのでそちらも勉強しておくのがいいでしょう。あとは麻痺のある患者や臥床患者のケアも多いのですが、こちらは基本的な看護技術を勉強しておけば問題ありません。
事前に知っておくことで、ある程度心構えができると思います。新しい生活への不安が少しでも軽減でき、脳神経外科の看護を好きになって頂きたいです。「脳」って聞くとなんだか難しそうと思いますが、とてもやりがいのある看護が多く、知れば知るほどとても楽しいですよ。
少しでも脳神経外科看護についてご理解いただけたでしょうか。お役立ち頂けましたら幸いです。
]]>排便に関する看護を考えたとき、どのような看護を思い浮かべるでしょうか。
慢性便秘は女性に多いものとされてきました。しかし、平成25年度以降の国民健康調査を見ると60歳以上では徐々に男女差がなくなり,80歳ではむしろ男性が多いことが明らかになっています。また,便秘患者の大半は高齢者です。高齢者のQOLを考えていく上で、便秘に対する看護介入は不可欠なものとなってきています。
2017年、日本消化器病学会の慢性便秘の診断・治療研究会により作成されました。
ガイドラインでは、便秘症を次のように定義しました。
「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」
この定義では、体内に糞便が残っている状態、快適に排出できない状態という2つの要素があります。そして、毎日排便があっても、患者が残便感や不快感を示した場合には便秘症をして考え、治療の対象となると言うことになります。
治療には様々種類がありますが、その一つの内服療法について記します。
ガイドラインで内服療法として推奨しているものに「上皮機能変容薬」「浸透圧性下剤」があり、「刺激性下剤」は頓用で処方することが勧められています。
代表的な薬剤として、「上皮機能変容薬」のルビプロストン(商品名アミティーザ)、「浸透圧性下剤」の酸化マグネシウム,「刺激性下剤」のセンノサイドについて記します。
我が国で最も使われている緩下剤の1つです。便を軟化させ,硬便による排便困難症状が強い場合には有用です。腎不全患者や高齢者では投与中の血中マグネシウム上昇が報告されているため、投与中は血清マグネシウム値の測定が必要と言われています。
適正使用が肝心で,1日2 g以内に抑えなければならないこと、また,骨粗鬆症の薬との併用は難溶性のキレートを生成し薬剤の吸収を阻害することが報告されています。
また酸化マグネシウムは胃酸と膵液で活性化する必要があるため、プロトンポンプ阻害薬など胃酸分泌抑制薬を内服している場合や胃切除後では効果は低下することが報告されています。
近年登場した新薬で、小腸で腸液の分泌を促進させることで排便を促す,新しい機序の分泌型便秘薬です。プロスタグランジン製剤であるため,妊婦では禁忌となります。
併用禁忌や注意薬はなく、長期連用しても電解質異常を来たすこともなく,腎機能異常患者にも安心して使えるとされています。主な副作用は嘔気と下痢で、嘔気は,投与量の減量,服薬タイミングを食事直後にすると軽減されるとされています。
センノサイドなどのアントラキノン系下剤の作用機序は,腸管の筋間神経叢を強力に刺激するとされていますが,その詳細はあまりよくわかっていません。作用は極めて強力で,ときに強い腹痛とともに激しい下痢となることが多く、作用が強力なゆえに,薬剤耐性,精神的依存性,習慣性,便秘の消失などの問題点があります。ガイドラインでは必要なときに頓用での使用が勧められています。
1:強い推奨 2:弱い推奨
エビデンスA~D:「質の高い」「中程度」「質の低い」「非常に質の低い」エビデンス
|
種類 |
一般名 |
推奨度 |
エビデンス |
|
プロバイオティクス |
− |
2 |
B |
|
膨張性下剤 |
|||
|
|
カルボキシメチルセルロース |
2 |
C |
|
ポリカルポフィルカルシウム |
|||
|
浸透圧性下剤 |
|||
|
a塩類下剤 |
酸化マグネシウム |
1 |
A |
|
クエン酸マグネシウム |
|||
|
水酸化マグネシウム |
|||
|
硫酸マグネシウムなど |
|||
|
b糖類下剤 |
ラクツロース |
||
|
Dソルビトール |
|||
|
ラクチトールなど |
|||
|
c浸潤性下痢 |
ジオクチルソジウムスルホサクシネート |
||
|
刺激性下痢 |
|||
|
a アントラキノン系 |
センノシド |
2 |
B |
|
センナ |
|||
|
アロエ など |
|||
|
bジフェニール系 |
ビサコジル |
||
|
ピコスルファートナトリウムなど |
|||
|
上皮機能変容薬 |
|||
|
aクロライドチャネルアクチベーター |
ルビプロストン |
1 |
A |
|
Bグアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト |
リナクロチド |
||
|
消化管運動賦活薬 |
|||
|
5−HT4受容体刺激薬 |
モサプリド |
2 |
A |
|
漢方薬 |
大黄甘草湯 |
2 |
C |
|
麻子仁丸 |
|||
|
大建中湯 など |
|||
人は座った姿勢になると恥骨直腸筋が引っ張られ、肛門もしまっているため便を通さないようになっています。排便の際は肛門が1センチ下がって恥骨腸骨筋が緩むのが正常の動きとなるので、ロダンの『考える人』のようなポーズを取ると排便し易いと言われています。
便の性状を図るスケールに『ブリストルスケール』があります。
欧米人の場合、ブリストルスケール3〜5が正常とされますが、アジア人特に日本人は熟したバナナ型と言われるスケール4しか正常に感じないのだそうです。
スケール4の便がスムーズに出ることが完全排便ということになります。
ブリストールスケール4を目ざして、薬剤を調整したり姿勢の指導をしていくことが患者の満足感の向上につながっていきます。
【引用参考文献】
国内初の便秘症ガイドラインを読む:日経メディカル2018年1月号
中島淳:慢性便秘の診断と治療.日本内科学会雑誌 105 巻 3 号:平成 27 年度日本内科学会生涯教育講演会
]]>「ねえ、先生。僕入院して初めて気づいたんだけど、子どもって学校がないと何もすることないんだよね。」
「入院してから誰とも話さない日が続いた。しばらくして分教室(院内学級)には色々な病気で頑張っている友達がいて自分だけじゃないとわかって安心した。」
「やっと退院。うれしい。学校に行ってみんなと遊びたいけど一緒に遊んでくれるかな。みんなに会うの恥ずかしいな。」
これは院内学級に通う子どもたちの声です。
皆さんはこれを読んでどのような事を感じられましたか?
H26 文部科学省 学校基本調査によると、
小・中学校の「長期欠席」している子どもは、約18万5千人
そのうち、約3万7000人(約20%)は「病気」による欠席
「その他」をあわせると約6万人(約33%)に上ることが明らかになっています。
病気だから、学校を休むのは当たり前なのでしょうか・・・?
子どもは教育を受ける権利を法律によって保障されています。
憲法 第26条では
「教育を受ける権利」
「教育を受けさせる義務」として掲げられています。
子どもの権利条約 第28条 の条文では
子どもには教育を受ける権利があります。
国はすべての子どもが小学校に行けるようにしなければなりません。
さらに上の学校に進みたいときには、みんなにそのチャンスが与えられなければなりません。
学校のきまりは、人はだれでも人間として大切にされるという考え方からはずれるものであってはなりません。
とされています。
皆さんは院内学級という言葉を聞いたことはありますか?
小・中学校の病院内の「病弱・身体虚弱特別支援学級」のことを言います。
・「病弱」とは慢性疾患等のため継続して医療や生活規制を必要とする状態
・「身体虚弱」とは病気にかかりやすいため継続して生活規制を必要とする状態
を言いますが、院内学級はそうした子どもたちの教育を支える病院の中にある学校です。
2008年頃には、日テレ系のドラマ「赤鼻のセンセイ」としてドラマ化や、NHKのプロフェッショナルでも取り上げられていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
昭和大学病院の「さいかち学級」の副島先生という方がモデルとなった実話に基づいています。
副島先生は院内学級の目的を次のように話されています。
「大人たちは親切心から、『焦る必要はない。元気になってからまた勉強すればいいよ』と言います。
でも僕は、元気でなければ勉強しちゃいけないのかと言いたい。
病気の子ども達は、親やきょうだいに心配や迷惑をかけていることを気にして、自分のことをダメな人間だとか、役に立たない存在と考えがちです。
しかし、決してそんなことはない。入院中でも楽しい時間は過ごせるし、新しいことに挑戦することもできます。学習を通して、子どもたちにそのことを経験してもらいたいのです。」
因みに、新潟市内には3つの小学校と中学校が医療機関に設置されています。
授業は、各市の教育委員会が決めた時間割を基にして行われます。年間スケジュールも
地域にある学校と同様に行われます。始業式・終業式、入学式・卒業式も行われますし、
授業参観もあります。
授業は子どもたちの体調に合わせてベッドサイドで行われることもあり、臨機応変に対応していきます。
名古屋大病院の院内学級(大府特別支援学校提供)<2015.5.21 中日新聞より>
冒頭に述べたように、療養中であっても子どもの教育を受ける機会を保証することを意識して関わることがとても大切です。
具体的に見ていきましょう
1)子どもの当日の体調・予定(安静度、前日の状態、治療検査予定など)を教員へ申し送り
子どもの状況にあった学習内容の調整をする。
2) 学習予定時間を確認し、治療や看護ケアの時間を調整する。
教育が行われる時間帯にはなるべく医療処置やケアを入れないことが大切!
3) 緊急時への対応
現在の治療や子どもの状態から、どのようなことが起こり得ることを予測し、対応を的確に伝える
4) 院内学級での子どもの様子を共有する。
1) 朝の準備(更衣・食事・清潔・内服・登校準備など)
登校時間に間に合うように準備を行う。
2) 学習が中断せずに集中できるような環境調整
輸液ポンプの充電の確認、授業時間内に輸液が終了しないか、酸素の延長チューブの緩み、ナースコールの確認など
3) ベッドサイドで行う場合にも同様に学習に向けた環境整備を行う。
4) 院内学級以外での学習環境の確保(特に中・高校生)
子ども、家族(保護者や兄弟)の病気の理解、治療予定、生じる可能性のある副作用など身体症状とその対応、安静度、子どもの発達、性格、興味、得意なこと、心理社会的課題の有無などを多職種で定期的に情報共有を行います。
子どもは退院をすると、前籍校に復学するため、前籍校での病名など個人情報の取り扱い/クラス友人への配慮、学習状況/学習への配慮、教職員(養護教諭、担任、学校長)の理解状況などを確認し、子どもが困惑しないよう配慮していくことはとても重要となります。
そして、各機関(特に前籍校)の担当者と連絡方法、学級通信等の受け渡し方法等、入院している子どもと前籍校の繋がりを確保し続けることが重要です。
長期入院を要する子ども達が、「自分を待ってくれている友達がいる」「退院したら、またみんなと同じ学校に行ける」と社会的な繋がりを意識できることは、自己肯定感・闘病意欲の継続に大きく関与しています。入院中から復学することを意識し、支援体制を整えていきましょう。
【引用参考文献】
文部科学省:H26 文部科学省 学校基本調査
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/attach/1350731.htm
NHK:プロフェッショナル 仕事の流儀 2011年 1月24日放送
涙も笑いも、力になる 院内学級教師 副島賢和
http://www.nhk.or.jp/professional/2011/0124/index.html
へるす出版:小児看護 2016年10月号
子どもの発達を支える病院内での教育支援・復学支援
独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所:病気の児童生徒への特別支援教育~病気の子どもの理解のために~
https://www.nise.go.jp/portal/elearn/shiryou/byoujyaku/supportbooklet.html
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