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医療事故 – 看護師の知恵袋 – 看護師が知って得するお役立ち情報 https://nurse-chiebukuro.com Fri, 22 Nov 2019 07:23:09 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.7.29 看護師必見!注射薬の様々な単位の誤認による医療事故を防ごう https://nurse-chiebukuro.com/chuusyayaku-unit-1 https://nurse-chiebukuro.com/chuusyayaku-unit-1#respond Mon, 15 Jan 2018 02:02:25 +0000 https://nurse-chiebukuro.com/?p=1141 問題

「アドナ70㎎をゆっくり静注して下さい」と医師より指示が出ました。

アドナ1Aは100㎎/20mlです。

あなたは、何ml注射器に吸い上げますか?

様々な薬剤の規格の意味を知ろう

液状の注射薬の規格には「△mg/〇ml」というような表示がされています。

△は主薬の薬効成分の量です。

 

主薬の量の単位としては、「㎎」が最も多いのですが、

薬剤の中には「μg」(マイクログラム=1/1000㎎)や「IU」

一方カリウム製剤などの電解質の注射薬では、「mEq」 という単位が使われています。

 

〇mlは、薬効成分を溶かしている溶液の量です。

なので、上記のアドナ1Aでは、主薬が100㎎を20mlの溶液で溶かしているという意味になります。

医師は注射薬のほとんどを薬効成分である主薬の量で指示をします。

 

看護師は、注射準備時には溶液として取り出さなければならないので意味をしっかり理解することが必要です。

粉末状の注射薬は主薬の薬効成分量のみの記載となります。

問題の答えは、次のような計算式で算出することができます。

20ml×70㎎/100㎎=14ml  →  アドナ70㎎=14mlを静注する

薬剤の様々な単位の意味

主薬の量の単位として一般的なのは「㎎」ですが、

中には「㎍」(マイクログラム=1/1000㎎)という小さな単位を使用するものもあります。

 

カリウム製剤などの電解質の注射薬では「mEq」という単位が使用されています。

電解質とは水に溶かしたときに電離してイオン(電気を帯びた原子)を生じる物質のことです。「mEq」はメックと呼び、milliequivalent(ミリグラム当量)のことです。

これは電解質液中のイオン(電気を帯びた原子)の電価を表す単位です。

 

「単位」あるいは「U」(Unit=単位)、「国際単位」あるいは「IU」(International Unit=国際単位)もあります。

「単位」「U」はともに「国際単位」を略したものです。

国際単位は生物製剤(生きている細胞が産生したタンパクから製造した薬剤のこと)を標準化するためにWHOが定義した生物学的力価の単位のことです。

 

代表的な生物製剤としてはインスリンがあります。

インスリンは「1ml=100単位」に調整されています。

ときに新人看護師は「単位」とつく薬剤の全てが「1ml=100単位」と誤解してしまうことがあります。

ヘパリンは「1ml=1000単位」であるように、それぞれの薬剤で1mlあたりの単位数は異なります。

液量に換算する際に必ず規格を確認するようにしましょう。

「mg」と「mEq」の関係

Naの原子量は23なので、1mEqのナトリウムイオン(Na+)は23㎎です。

またKの原子量は39なので、1mEqのカリウムイオン(K+)は39㎎です。

Clの原子量は35.5なので、1mEqのクロールイオン(Cl⁻)は35.5㎎です。

つまり、原子量によって1mEqあたりの㎎量は異なります。

したがって1mEqの Na++ Cl⁻からなる食塩(NaCl)は23㎎+35.5㎎=58.5㎎になります。

1g(1000㎎)の食塩水に含まれるNa+は何mEqかというと、1000㎎/58.5㎎=17.1となり、約17mEqとなります。

オーダリングシステムでの処方入力間違いによる医療事故

現在、電子カルテ化が進み、オーダリングシステムの入力間違いによる投与量の事故が増えてきています。

医療事故情報収集等事業 第36 回報告書による、実際に起きた15の事例と背景要因を見てみましょう。

 

 

事例が発生した医療機関の改善策としては以下のような対策がとられています。 

1)院内で採用している単位の周知

・院内では、散剤の入力は「g」表示であることを医局会で再通知する。

・インスリンを処方する際は、「mL」ではなく「単位」で処方する。

・フラグミン静注を処方する際は、「単位」数でオーダする・・・など

2)システムの改善

・インスリン製剤は「mL」による入力ができないよう薬剤オーダのマスタを変更した。

・ワルファリンの細粒薬は計算が複雑で投与事故が起こりやすいため、「ワルファリンK細粒0.2%」は電子カルテの投与リストから外すことにした。

・ 「100V」などの通常使用しない量の登録が電子カルテのシステム上で制御できないか検討・・・など。

3)入力時の確認

・処方を確定する前に処方内容を確認する。

・化学療法の新規薬剤開始時に内服用量決定時には、他の医師とダブルチェックを行う。

チェック体制の強化(共診する医師とのダブルチェック、看護師とダブルチェック、薬剤師とダブルチェック)・・・など

4)薬剤師間の相談体制

5)疑義照会時の医師の対応

・疑義照会に対し、医師は真摯に受け止め、処方内容を再確認する・・・など。

6)院内教育

・オーダリングシステムの有効な利用や単位の統一について、院内で十分な周知、教育など

「入力の際、画面表示される単位を確認する」

「単位間違いが起りやすいことを認識し、処方監査を強化する」ことが重要なのです。

 

【引用参考文献】

医療事故情報収集等事業 第36 回報告書

http://www.med-safe.jp/pdf/report_2013_4_R003.pdf

川村治子:医療安全ワークブック

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https://nurse-chiebukuro.com/chuusyayaku-unit-1/feed 0
医療事故について ~注射の指示受けと伝達ミス~ https://nurse-chiebukuro.com/iryouziko-1 https://nurse-chiebukuro.com/iryouziko-1#respond Mon, 13 Jul 2015 07:40:36 +0000 https://nurse-chiebukuro.com/?p=26 医療事故の中でも発生頻度の高いものとして薬剤の誤投薬があります。
なかでも注射の誤投薬は重大な医療事故に繋がることが多く、特に留意する必要があるでしょう。

注射業務は医師の指示に始まり、看護師が指示を受け、薬剤部へ指示を伝達し、薬剤部が薬剤を揃え、薬剤部から薬剤を受領、注射準備、注射実施、実施中~後の観察に至る過程を複数の医療従事者が連携して行っていきます。

正しく注射が実施されるには、この各プロセスに正しく伝達されることが必須となります。
臨床現場では、やむを得ない状況下で医師から口頭指示を出される状況があります。
皆さんにも、似たような経験はおありではないでしょうか。

・不穏患者を回診してきた医師が、居合わせた看護師に
「○○さんにセルシン10ミリイッテ」
・心筋梗塞の急患に対応中の医師が
「キシロカイン50ミリ静注して」
・高カロリー輸液中の患者の高血糖が判明し、ナースステーションにいた看護師に、
「□□さんにヒューマリンR10イレテ」
・尿量低下をきたしている患者に
「○○さんにラシックス半筒イッテ」

◆注射指示から読み取るべき7つの情報

看護師は、医師の注射指示から7つの情報を読み取るべきと言われています。

  1. 誰に:投与患者のフルネーム
  2. 何を:投与薬剤
  3. どのくらいの量:投与量
  4. いつ:投与日と時刻
  5. どのような方法:投与方法(点滴静注、ワンショット静注[側管注含む]、筋注、皮下注)
  6. どのくらいの速さで:投与速度(○ml/時間、□分かけて静注等)
  7. どの経路から:中心静脈ライン、末梢静脈ライン、側管注の場合はどのラインの3方活栓か等

上記の口頭指示にはこの1~7のいずれかが、正しく聞き取れていません。

そして、口頭指示とその指示受けでは、聞き間違いの他に、
「きっとこう受けてくれる」
「きっとこういう意味に違いない」
という先入観が影響している場合が少なくありません。

◆正しい指示受けをするには・・・①オウム返しと確認会話

では、あいまいとなりやすい口頭指示を正しく受けるにはどうすればよいのでしょうか?それは『オウム返しと確認会話』を意識して行うことです。

“聞き間違い”は日常生活でもよく経験することですが、耳で聞くということは視覚以上に知識・経験・文脈からの推定によって大きく助けられています。
口頭指示を受けた人は、必ずそれを復唱すること、また指示を出した側もその復唱を注意深く聞くことが重要です。特に時間がない状態、緊急時などは意識が次の事に言っていることが多く、復唱してもその間違いに気づかないことが多いのです。
そこで、復唱するときに相手の言うことをそのまま復唱するのではなく、「要するにこういくことですね」と別の言葉に置き換えて確認することが有効と言われています。
具体的には、指示書による指示と同様に、看護師が読み取るべき7つの情報を意識しながらメモを取り、あいまいな情報は、指示を復唱して確認を取ります。その時に「○○ミリ」は「○○ミリグラム」、「○○太郎さんに、ヒューマリンR○単位、皮下注ですね」といったように、単位の語尾や投与方法まで正確に言い直すことが大切です。

◆正しい指示受けをするには・・・②読み合わせによるダブルチェック

そして医療現場でよく行われているのはダブルチェックです。
ダブルチェックをしていてもミスが起こると「トリプルチェック」となりますが、確認する人数が増えれば増えるほど、1人当たりの信頼性は低下し責任が分散するためにチェック機能が働きにくくなります。
効果的なダブルチェックは読み合わせをすることです。
1人が読み上げて、もう1人がチェックをして「よし」と声を上げて確認します。

また、患者の病態の変化によって、注射指示が急に変更される、中止されるということもたびたび起こります。指示変更の指示受けミスや次の勤務者への申し送りのミスもよく起きています。

伝達ミスが起きやすい状況として、
・薬剤科から病棟に注射薬が払い出しされた後の指示変更
(例:外来化学療法を受けている患者の受診当日の白血球低下による抗がん剤中止情報が伝わっていなかった、オーダリング画面で指示変更していてもその前に指示箋がプリントアウトされており口頭指示が伝わっていなかった、カーデックス等転記物の変更記入漏れなど)
・変更指示が勤務帯の引き継ぎに出される、看護師が巡回等で不在な時に指示変更が出され、気が付かれない等

◆伝達ミスを防ぐには・・・指示受けのルールと指示変更の意味を理解する

変更の指示受けを正しく行うためには、各病院や病棟で求められている指示変更とその指示受けのルールを医師、看護師の双方が守ることが大切です。

医師は、オーダー画面や指示書の変更だけで終わらせるのではなく、指示受け担当の看護師にも口頭で伝える必要がありますし、受ける看護師はなぜ変更されるのかの意味を必ず医師に聞き、理解することが大切です。

変更の意味をわかって指示を受けることが、自らのミス防止にも、また次の勤務者の伝達ミス防止のためにも非常に重要です。薬剤が払い出されていれば、薬剤の回収を確実に行うこと、指示の転記物があれば必ずその修正を行うことも大切です。

現在、潜在看護師の方を対象に様々な機関で、復職支援セミナーが行われています。
しかし、臨床現場に出ると『臨床経験がある』としてみなされ、新人看護師のようなオリエンテーションは望めない実状があります。

そのような中、今回記した注射の指示受けや伝達ミスに関する医療事故は
「臨床経験があるのだから、このくらいは理解しているだろう」
「この間、指示受けの流れは説明したからわかっているだろう」
と周囲の先入観や不慣れなシステムな中での看護業務に関連して起こりやすい、ブランクのある看護師の方が遭遇しやすいものではないかと思います。

復職された看護師の方は、これまでの臨床経験を”強み”としながらも、今の自分の理解や認識を周囲に積極的に伝え、確認していくことがより求められているのではないかと思います。

【引用・参考文献】
川村治子著:医療安全ワークブック第3版,医学書院
小林美亜著:医療安全 患者の安全を守る看護の基礎力・臨床力,学研\
日本看護協会:医療安全推進のための標準テキスト
       http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/anzen

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