脳神経外科病棟で働き始めるナース必見!知っておきたい看護技術や知識

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新人看護師のみなさんは、これから新たな希望を胸に憧れの看護師になれたことで嬉しい反面、どこの部署に配属されるのだろうと不安に思っていませんか?また、部署移動になり専門的な知識や技術を覚えなければならず、不安を抱いている中堅看護師の方もいらっしゃると思います。

もし脳神経外科に配属になり、何を勉強していけばいいのか不安で困っている方必見です。

実際に脳神経外科病棟で勤務していたから言える、これだけは知っておきたい脳神経外科の基本的看護技術や知識をご紹介します。

必ず覚えよう!意識レベルの判定方法

脳神経外科では意識レベルの判定はよく行います。脳疾患により、軽度の意識障害から重度の意識障害を生じることが多々あります。その都度、経時的な変化を客観的に評価し、病状を誰でも把握できる指標が必要であり、よく使われるのがジャパン・コーマ・スケール(JCS)とグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)があります。救急医療の現場でもよく使用されますが、脳神経外科病棟での日々の観察でも活用し、看護記録に記したり、他者に申し送りする時に活用することで情報を共有し、病状を誰でも把握できるのです。

特に急変時に覚えていないと、 とっさに判断できず慌ててしまったり、正確な意識レベルの確認ができなくなってしまいます。そのため、脳神経外科で働く上で必ずと言っていいほど覚えておくべき基本中の基本なのです。

JCSは簡便で状態を見てすぐさま意識レベルを評価できるようになっていて、緊急時に用いることが多いです。ただ、判定に評者間のばらつきがあると言われています。

GCSは複雑で意識レベルの判定に時間がかかりますが、評者間での一致率は高いと言われています。

頭蓋内圧亢進症状の観察は必須!

脳神経外科では脳腫瘍、くも膜下出血、硬膜下血腫、水頭症などの疾患が、病状の悪化で脳浮腫や脳腫脹をきたし頭蓋内圧が上昇するリスクがあります。これは本当に恐ろしく、さらに悪化すると重篤な脳ヘルニアを起こし、脳幹を圧迫するため生命維持が困難になる危険があります。

早期発見のために頭蓋内圧亢進症状について観察するのも脳神経外科看護の基本だと思います。

慢性症状は頭痛・悪心・嘔吐・視力障害や神経症状があり、意識清明なことが多いです。しかし、急性症状だと激しい頭痛や嘔吐、意識障害やクッシング症状(徐脈・血圧上昇)・瞳孔不同・けいれん・神経症状の悪化などが出現するため慢性症状がある場合は病状の悪化がないか日々観察を行い、急変時には疾患を踏まえ、頭蓋内圧亢進症状の可能性を考慮し症状の観察をする必要があります。

これらのことを踏まえて観察ポイントをまとめてみました。

バイタルサイン

特に血圧や脈拍に注意

左右の瞳孔の大きさと対光反射の有無

瞳孔不同に注意

意識レベル

普段から観察し、悪化がないか確認していくことで早期発見につながります

頭痛・嘔気の程度

起床時の頭痛が激しくなる場合があります

神経症状の変化

例えば、もともと片麻痺がある方は、悪化しないかどうか観察することで病状を把握できます

まとめ

脳神経外科病棟でよく起こり得る状況を考慮し、以上の2点を紹介させていただきました。他にも脳神経外科の特有として、神経症状がありますのでそちらも勉強しておくのがいいでしょう。あとは麻痺のある患者や臥床患者のケアも多いのですが、こちらは基本的な看護技術を勉強しておけば問題ありません。

事前に知っておくことで、ある程度心構えができると思います。新しい生活への不安が少しでも軽減でき、脳神経外科の看護を好きになって頂きたいです。「脳」って聞くとなんだか難しそうと思いますが、とてもやりがいのある看護が多く、知れば知るほどとても楽しいですよ。

少しでも脳神経外科看護についてご理解いただけたでしょうか。お役立ち頂けましたら幸いです。

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水木

水木

看護師として大学病院(脳神経外科病棟)にて4年間勤務。 開頭手術やその他の脳神経外科術後の看護、脳室ドレナージやスパイナルドレナージの看護、術後せん妄の看護など急性期看護や周手術期看護を得意としています。

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