どう育てる?新人ナースへのプリセプターシップについて

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春は新入学の季節ですが、医療の現場も4月は初々しい新人ナースのデビューの時期でもあります。社会人としての希望や不安を抱えながらこれから医療の現場で活躍する自分の姿を思い浮かべつつ日々の勤務がはじまっていきます。

しかし現場においての業務は、専門の学習を終え国家試験に合格したとはいえなかなかすぐに知識が発揮できるかというと難しいものがあります。病院の規模や専門性、または配置される病棟により必要な知識や技術は違います。

また即戦力という点においても未熟な点は多く経験が必要な業務も数多くあります。そういう医療の現場において多くの病院はオリエンテーションや教育の期間をもうけ、現場で勤務するまでの導入時期として研修体制をもうけている機関が増えています。

1日も早く1人前のナースになるためには新人ナースとしてどのようなオリエンテーションや教育が必要なのでしょうか。病院側の目的や方法、また新人ナースの研修の取り組みについてご紹介させていただきます。

新人研修について

 厚生労働省の新人看護職員研修ガイドラインの基本方針として

  • 教育機関で学んだことを土台に実践能力を高めること
  • 実際に患者さまを受け持つことにより医療チームの一員としての能力を身につけること
  • 安全で質の高い看護の提供
  • 職業人としての日々の努力や自己啓発や支援体制の整備

などがあげられています。これに基づいて各医療機関はそれぞれの新人ナースの教育制度を設けています。その多くは期間を設けて全体教育を行い、その後配属先での勤務という流れが一般的です。

プリセプターシップ制度

不安な気持ちを抱えた新人ナース1人に対して経験のある先輩ナース(プリセプター)がマンツーマンで、ある一定の期間同じ勤務時間に教育や指導を行う方法です。未熟な技術はもちろん仕事をとおしてコミュニケーションや看護サービス・病院の特性や広範囲にわたって指導をする制度になります。

看護師としてスタートするにおいて、国家資格は得たもののすぐに即戦力とはなりにくいのが現状です。一般の会社でも入社後、1週間ほどは全体のオリエンテーションや接遇など基本的な指導が行われますが、病院も同じで、まずは病院の全体の施設を理解することから始めます。

検査室や外来・各病棟や配膳室・薬局など規模が大きくなるほど初めは難しく感じるものだと思います。基本的な研修を終えると病院によっては看護技術の基本的指導が始まります。検温・採血はもちろん、点滴操作や清潔操作など学校で習ってきたことの総復習を行います。その後、配属先の病棟への移動となります。

配属された病棟で出会うのがプリセプターの先輩ナースです。プリセプターとなるナースは2~4年目くらいのナースが一般的でワンツーマンの指導となることが多いのが一般的です。勤務も同じ時間帯で同じ患者を受け持ち対応していきます。

  • 受け持ち患者の一般的なケア
  • カルテなどの入力作業
  • 検査や薬品などの移送
  • 処置・回診準備・対応
  • シーツ交換・入浴介助などの病棟週間業務
  • 委員会や研修会など

これらの業務をプリセプターと同行し業務を覚えていくようになります。

プリセプター以外のナースも指導やフォローは行いますが、プリセプターが主に指導にかかわり新人ナースの教育係として対応していきます。

新人ナースへの対応

配属されたばかりの時期はとにかく不安が大きい時期ですので、焦らずゆっくりと指導することが求められます。

一般的にはプリセプターとなる先輩ナースは年齢が近いということもあり、質問や不安を聞いてもらえるという安心感が生まれれば、良い関係が築いていけると思います。チェックリストがある病院などでは、できた技術や、逆にできなかったことなどをチェックし1年を通じて経験値を上げていくなど計画的に対応している病院もあります。

同じ部署に新人が多数いる場合は、新人同士のコミュニケーションの場や勉強する機会を設けることも大切です。同期という仲間意識を育て一緒に育てていくというスタンスで取り組むことがプリセプター自身の負担も軽減することでしょう。

まとめ

医療が進歩しナースに求められる知識や技術も増えつつあります。新人ナースがまず職場になじみ、日常の業務ができるようになるまでにはかなりの月日がかかることでしょう。

しかし、全てのナースが通ってきた道であり育てる楽しみがあるのも事実です。期待や不安を抱えつつ勤務につく新人ナースに少しでも早く一人前になって欲しいのが本音ですが、焦らずじっくり取り組むことが大切です。

プリセプターを含め、全てのナースが新人ナースの成長を見守っていきたいものです。

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