看護師としての海外での勤務

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[Question]
「看護師としての海外での勤務」

私は将来、海外で看護師として働きたいのですが、どうしたら良いでしょうか。

[Answer]

まず、形として2つあると思います。

「先進国で看護師として勤務したい」場合と、「他国の支援を必要とする国で」看護師として勤務する場合です。

「先進国で看護師として勤務したい」場合のお話です。

「海外」で「看護師として働く」ためには、その国の看護師資格だけでなく、「就労ビザ」も必要となります。一般的に、ほとんどの国は外国籍の人間に対して、簡単に就労ビザを発給しません。たいていの場合、大卒レベルでは難しいのが現状です。

その国の看護系大学院に進学して、自分の専門性を確立し、業績をあげられれば、可能性は高まります。ですが、問題はその費用です。
海外の看護系大学の場合、進学先が国公立だろうと私立だろうと、学費の年額は300万以下になることはないのが現状です。

それに加えて、同額以上の生活費。生活費は、下手に下げると生命の危機(=治安)にも直結します。

ざっくり計算して、年間600万×(大学分4年間+大学院分5年間)の費用が必要です。

そこまでやっても、就労ビザが取れなければ、日本に帰国して「ただの人(無資格者)」になるしかありません。

外国人向けの奨学金はまずないですし、海外で看護師になる人向けの看護師養成の奨学金も存在しません。よくよく検討される必要があると思います。

日本の大学で看護師資格を取得→申請&不足単位を補って当該国の看護師試験を受験し、資格を取得…という方法もありますが、やはり就労ビザの問題で「資格は取れても就職はムリ」となります。

どうしてもとなると、やはり海外での看護系大学院進学は避けて通れないでしょう。

2つ目、「他国の支援を必要とする国で」看護師として勤務したい、という場合は話は変わります。そういう場合は、日本で看護師資格を取得し、看護師経験を積みます。

「JICA」や「国境のない医師団」等のNPO団体の看護師スタッフとして派遣される道があります。ただ、「誰でも希望すれば行ける」というものではありません。

厳しい英語の試験があります。そこでたいていの人はふるい落とされます(英語で円滑に看護師業務がこなせないといけないので)。仏語の能力もあると、より有利になるでしょう。

また、団体・派遣先により、必要とされる臨床経験の基準がありますのでその辺りも注意が必要です。このような団体から正式なスタッフとして派遣される場合は、日本の看護師資格だけで大丈夫です。ただ、派遣期間は1回あたり2年間までと上限がありますし、派遣先は後進国といわれる国々に限定されています。

もしくは、日赤や自衛隊の看護に進み、それらの病院でスタッフとして能力を認められれば、海外で災害があった時の派遣スタッフに選抜されるかもしれません。この場合も、日本の看護師資格でOKです。

「海外で看護師として働きたい」という場合は、
①どういう国で、どういう形で「看護師として働きたい」のか。
②かかる費用はきちんと支払えるのか(海外進学の場合、奨学金利用は不可能)
の2点を先に決めておきましょう。

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